昨日は珍しく良いことをした。

いつものように会社からの帰り道、電車の座席に座ってポケモンに興じていると途中の駅で若い女性が乗ってきた。

一見すると(よくよく見ても)、非常に若くて綺麗な女性で、可愛い子だなあとオッサン丸出しで見守っていたのだが、そのカバンにややピンク色の印。

そう、妊娠している女性を示すマタニティマークがついていたのだ。

その女性はまだお腹が膨らんでいるわけでもなく、マタニティマークがないと妊娠していることにはきづかないだろう。

で、その女性のマークはカバンについていて、正面の席に座っている人には見えるが、残念ながら彼女の目の前に座っている女性は気づいていない様子。

私はその妊婦さんからは2つ離れたところに座っていたのだが、一瞬躊躇したあとに勇気を出して席を譲ってみた。

その方は「ありがとうございます」と小さな声でお礼を言って、わたしのいた席に着いた。

なんで、私がこんなに妊婦さんに敏感かというと、ちょうど私の妻も妊娠3ヶ月目だから。

絵に描いたような新任パパ見習いなので、ちょっと離れたところでも気づけたというわけ。

今日は珍しくいいことしたなあ、と思い、家に帰って妊娠中の妻に報告。

そうすると、妻は私の話を聞いたあと、今日自分に起こった話をしてくれた。


妻がちょうど会社に行こうとした時のこと、つわりがひどいので朝のラッシュを避けて遅めの出社。

なので、地元の駅はほとんど混んでいないはずの時間帯。

私の家から駅の改札までは下りエスカレーターがある階段で、エスカレーターの幅は一人分。

横を通り抜ける隙間はないが、混んでいる時間帯でもないし、歩くのはつらいので普通に立って乗っていたそう。

すると、後ろからドカドカと走ってくる足音。

そして、妻の真後ろまで来たかと思うと大きな声で

「ちょっと!急いでるんですけど!」

と言って怒ったそう。

エスカレーターのマナーからも妻に急ぐ義理はないはずだが、自分が妊婦であることを説明するのも面倒なので、仕方なく歩いてエスカレーターを降りたそう。


この話を聞いて、私は静かな怒りを覚えました。

こんな国でいいのか。

もちろん、そのおばさん(いい年した女性らしい) も妻が妊婦だということには気づかなかったのかもしれない。

が、それを差し引いても急ぐのであれば階段を走ればいい。

皆が歩いていく朝のラッシュ時のエスカレーターを空気を読まずに立ち止まっているわけではない。

空いているし、歩くのがつらいから立ち止まっていたのだ。

その話を報告されて、私は怒りを覚えたが、妻にはそういった人と争いになるとお腹の子どもにも危ないことになるかもしれないので、避けたほうがいいと伝えた。

他に周りに人がいない状況ならなおさら、そんな人は逆上すると何をしてくるかわからない(と思う)。

が、こんな国でいいのか。


世の中にマナーの悪い人なんていくらでもいるし、もしかしたらそのおばさんにもやんごとなき事情があったのかもしれないので、一方的に悪口のように書くのはどうかと思うがそれでも書かずにはいられなかった。

願わくば、この記事を読んだ方が、読む前よりもほんの少しでも未来の母親に優しくなって欲しいという願いを込めて。

もうすぐ父親になる人間の一人として。