ふと思ったこと。

政治の世界というのは勝ったものがルールも決められる弱肉強食の世界。

今回大勝した自民党は自分たちに不利になるようなルールの改正は行わないだろう。

例えばネット選挙の解禁。

まだ世代別の投票結果を見られていないが、おそらく自民党の支持層は老人が主力だろう。

若者の投票率がネットなどにより上がることがあれば相対的に老人の票のシェアは下がることになるので、なるべくなら手を出したくないはずだ。

これは勝者が支配をより強固にするためにはいい仕組みだと思う。

だが、それが国家全体を強くするかというと、また別だとも思う。


ここで話をF1に向けてみよう。

F1の面白さの一つとして、毎年行われるルール改正がある。

このルール改正の目的は何かというと、大概の場合は強すぎるチームを不利にするため。

昨年の勝者を弱体化させるためにあるのだ。

これはこれで乱暴だな、と昔から思っていたが、政治の世界と比べてみると効果的だとわかる。

勝者からすれば乱暴だが、それはおそらくF1という競技全体のためだと思う。

ある特定のチームが勝ちやすい状況ができたときに、それがパターンとして確立してしまい、かつ他のチームが手出しできない状況だとすると、エンターテインメントとしてはきわめて退屈だ。

このあたりは日本の選挙の投票率の低さにも通じるところがあるのではないだろうか。

反対にルールを改正して、今までの勝ちパターンが通用しないとなると、新たな武器が必要となりそこから技術革新が生まれる。

こうしてF1は成長していくのだ。


これを政治の世界にも導入してみてはどうか?

当然、選挙で勝った与党は全ての政策を決める権利がある。
そうでないと民主主義の根底が崩れることになりさすがにおかしい。

だが、次の選挙に関わるルールは別とする。

例えば公職選挙法や選挙区制度といった次の選挙に関わる仕組みの部分は野党が決められるようにしたらどうだろう?

今回で言えば若者からの支持率が高いであろう維新の会などはネット投票や表の格差是正に全力を尽くすだろう。

また、そんなルールが導入されたら自民党も若者の方を意識せざるを得なくなる。

こうして、一党による支配でなく国家を強くする仕組みが徐々に出来上がっていく。

再度F1で例えるなら、優勝賞金とルールの改正権は別にしようというわけだ。こう書くと当たり前だな。

まあその当たり前のことができていない時点で、如何に自民党が国よりも党を見ているかがわかるというものだが。

F1のような圧倒的な技術革新と高いスキルのぶつかり合いが、いつか政治の世界でも見られるといいですね。