MECEという概念をご存知でしょうか?
ロジカルシンキングを学ぼうとすると、だいたいの場合お目にかかるのではないでしょうか。
自分、このMECEという考え方が好きなので、布教のために自分なりの言葉で説明してみたいと思います。
例によって、私独自の勝手な解釈などが含まれてくると思いますので、参考までにご覧ください。
MECEとは何か
MECEとはおそらく何かの略語とか頭文字だと思うのですが、由来は知りません。
でも意味は何となく知っています。
それは「漏れなく、ダブりなく」という意味だと思っています。
MECEというのはそれ自体がテクニックやスキルというわけではなく、概念になります。
MECEという用語の使い方
使い方の例としては、
「この考え方はMECEではない」
「ロジックツリーの分類はMECEにしましょう」
などといった形で、考え方に対する評価のように使われることが多い気がします。
MECEな概念の具体例
概念だ、漏れなく、ダブりなくだ、と言われてもわかりづらいと思いますので、例で説明していきたいと思います。
例えばあるものをいろいろな形に分けていきます。
【MECEな例】
性別 ⇒ 男性、女性
年齢 ⇒ 未成年、成人
人格 ⇒ 個人、法人
これらはどれもMECEと言っていいと思います。
性別を分けるときに、男性でも女性でもない人はいません(ごくまれにいるかもしれませんが、基本的にはいません)。なので「漏れがない」ことになります。
また、男性かつ女性である人もいません。なので「ダブりがない」ことにもなります。
なので、この分け方はMECEであると言えます。他も同様です。
【MECEではない例】
日本 ⇒ 関東圏、関西圏
食物 ⇒ 米、穀物、肉、魚、野菜
例が下手すぎて申し訳ないですが、これらはMECEではありません。
日本は関東圏と関西圏だけではなく、中部、北海道、九州などなどありますので、「漏れがある」ことになります。
逆に食物では米は一般的に穀物の中に含まれるので、これは「ダブりがある」ことになります。
ちょっとずれますが、ダブりはよくこの米と穀物のように、上下関係にある概念を並列に分類しようとしたときに起きることが多いです。
【ビジネス上はMECEっぽく扱われる例】
4P = Product、Promotion、Price、Place
3C = Customer、Competitor、Company
資源 = ヒト、モノ、カネ
これらは厳密には漏れがあるかもしれません。
が、ビジネス上はよく使われるフレームワークなので、この状態でMECEと評価されることも多いです。
MECEを知っていて何の役に立つのか
MECEの意味、具体例はわかっていただけたでしょうか?
しかし人間はこれだけでは動かないのを知っています。
知識として吸収し、実際に考える際に活かしてもらうためには、何の役に立つのか、読者にとっての価値を提供しないといけません。
ということで最後に、MECEがなんの役に立つのかを説明します。
端的に言いますと、「考える」精度を上げるのに役立ちます。
会社などで自分の企画や考え方を説明すると、よく言われるのが「考えつくしたか?」という質問です。
もちろん本当の意味で考えつくすことなど、哲学的にもできないと思いますが、「ちゃんと考えたか?」という意味で聞いているわけです。
そこでこのMECEが役に立ちます。
自分の企画書のアウトラインや表を流れや項目がMECEになっているか、という観点で見直してみましょう。
企画書のアウトラインであれば、意思決定を行うために必要な「漏れ」jはないでしょうか?
アンケート調査の設問であれば、回答者によってどちらともとれる「ダブり」はないでしょうか?
これをしっかりと意識してアウトプットができていると、とりあえず「一通り考えました」と胸を張ることができると思っています。
ロジカルシンキングの基本ともいえる概念「MECE」。みなさんに日々意識していただけたら幸いです。
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さて恒例の答え合わせです。
適当に「MECEとは」で検索して、最上位に出てくるサイトを紹介しておきます。
だいたい同じようなご意見でしたのでほっと一安心。