自分はテレビを見るときはほとんどバラエティ番組しか見ません。 どうもテレビにおけるそれ以外のジャンルは、代わりとなるネットなどで満たされてしまっているんですよね。 しかしながら、笑いのプロである芸人さんとマスメディアならではの巨額の予算が投じられるバラエティ番組は別です。 ネットの世界にも笑いを得られる類の娯楽は多々ありますが、バラエティ番組と全く同じ方向性で代替できているものがまだない気がするので、いまだにそこだけは見ているという次第です。 そんな笑いに対して自堕落な私が昔から好んでいる番組に、テレビ朝日系列「黄金伝説」シリーズがあります。 タレントがちょっと無理な挑戦に挑んでみるというあれです。 放送時間の関係もあるのか最近はあまりにも対象視聴者層を低年齢化(逆に高年齢化?)しているのか、どんどんわかりやすいというか人を小馬鹿にしたようなベタすぎる方向の笑いを狙いすぎて私からするとつまらないことこの上ないのですが、本日考えたいのはその問題ではありません。 また、それでも見続けてしまっていることで、こんな私の思いなど制作陣には伝わるはずもなく、人気番組がつまらなくなっていく片棒を担いでいるような気もしてきて心苦しい限りです。 話を戻しまして、今回考えたいのはその「黄金伝説」の定番企画の一つである、行列ができる店に並んで人気商品を手に入れる、というやつです。 こいつが日本経済を停滞させている原因の一つと言っても過言ではないということに最近気づかされてしまいましたので、ここで世に対する警鐘として発信したいと思います。 ■行列ができることがなぜ「悪」なのか なぜ私がこの企画をそこまで憎んでいるかというと、行列を作ること=消費者が並ぶことではなく、店が客を並ばせることがけしからんと思うからです。 また、ゴールデンタイムに純真無垢な視聴者に向けて、行列ができる=素晴らしいこと、という誤った価値観を植え付けようとするテレビ番組にも喝を入れたい今日この頃です。 どういうことか説明しましょう。 まあカッコつけて説明するほど大した話ではないのですが、単純に多数の消費者にとって行列に並ぶ時間は無駄なもの、だからです。 大多数の人間にとって、行列に並んでいる間にできることというと暇つぶしくらいしかありません。 まあこれはこれで暇つぶし業界の急先鋒たるゲームを支持する人間としては得ているものもあるのですが、とはいえやはり無駄が多い。 もちろん、並ぶのは個人の自由です。 そこまでして並んででも手に入れたいものがあるということは、まことに素晴らしいことだと思いますし、それほどまでに愛される商品、サービスを提供することは私などでは想像もできないような大変な工夫と努力の果てにたどり着いた境地だと思います。 しかしながら、それが過剰に行列を作ることによって、多くの人の時間を浪費させ、その商品がスムーズに手に入れば、もっと社会や自分のために有意義に使えたであろう時間という資源を社会のエコシステム全体として失わせているのは間違いないのではないでしょうか。 ■適度な行列がブランド価値を生むのは理解できる とはいえ、特にラーメン屋などがそうだと言われていますが、行列ができていることが集客戦略上とても重要だという意見も理解できます。 行列を見た人が、何だろう?と興味をひかれ、そこまで行列ができるのであれば、きっといいものに違いないと、実際の商品価値以上にブランド価値を押し上げ、一大ムーブメントとなった事例は過去数えきれないほどあります。 なので、消費者が飽きず、かつ魅力を感じてくれるように、需要と供給のバランスを調整し適切な行列をキープするように恣意的に業務非効率を生み出すのは、程度の問題とはいえ許容されてもいいと思います。 ■過剰な行列ができることは恥と知れ しかしながら、私が怒っているのはあまりに行列が長く、ニーズに対してサービス提供のバランスが著しく悪い店に対してです。 「黄金伝説」の放送内容を信じるならば、1日数食限定でオープンと同時に売り切れるとか、ひどいものだと1日3食のみだとか、数か月に1回しか売らないとかも紹介されていました。 並ぶ方も並ばせる方も阿呆かと。 数量を限定せざるを得ないことに素材や季節の問題などがあり、不可避の必然性があればこれはしょうがないと思います。 とはいえ、多くの場合は「職人さんが手作りしているので」みたいな理由なので、これは経営者の人材戦略の欠如と言わざるを得ないと思います。 それだけ欲しがっている人がいるのであれば、しっかりと職人さんを採用し、育て、売上の拡大とともに利益の拡大を目指しましょうよ。 自社も潤うし、雇用の創出という形で社会も潤い、人気商品を楽に手に入れられる喜びで消費者も潤う。 絵にかいたようなwin-win-winの関係が描けるのではないでしょうか。 もちろん、大手の小売りやメーカーはそれを理解しています。 人気商品が一時品切れになっても、すぐに消費者のもとに商品を届けられるように増産体制を整備します。 過剰な行列≒機会損失が生み出す自社への不利益をよく理解しているからです。 それだけの人気商品を生み出した方々には、ぜひ引き続き適正な行列づくりから始まる社会全体への貢献に向けて、力を注いでいただければ幸いです。 これだけ若者の失業率が問題となる昨今ですからね。 ------------------------------------------------------ とはいえ、まあこれは個人の価値観の問題なのでご自由に、というのが結局のところ結論となりますしょうか。並ぶ方も並ばせる方も。 行列の長さで恍惚となる経営者の方もいらっしゃるでしょうし、もちろん各社ごとにここで書いたように単純な問題ではない事情があるでしょうし。 ブームがいつまで続くかもわからない中で、日本における究極の固定費ともいえる人件費を増加させるのは後々ブームが去った後に致命傷になるかもしれませんしね。 いつか書きたいですが、ここでも正社員を解雇できない労働基準法(?)がこの国にとって悪い方向に働いている気がしてきますね。
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慶応大学卒業後、とあるIT系のベンチャー企業に新卒入社。法人営業を経験後、事業企画、予算管理を担当。ポケモン、モンハンを中心にゲーム業界応援日記「ゲームなミカタ」を執筆中。最近はWeb制作に目覚め、CSS、Javascriptに興味あり。最新の制作物は敷金精算に関するデータを提供する「逆転敷金」。