テレビがつまらなくなった、という話はネット界隈でもう数年前からよく聞く話です。
全てが全てつまらないとは思わないですが、ゴールデンと言われる夜7時~10時くらいの番組はたしかにほとんどつまらないと私も思います。
深夜枠はまだまだ面白いものも多いんですけどね。
韓流押しとか、AKB押しとかも同様にテレビがつまらない(≒飽きさせる)理由となっています。
今日はそんな使い古されたテレビがつまらない理由を一つ一つ考えて、そんな斜陽のテレビを面白くする方法を大人気漫画「ハンター×ハンター」に倣って編み出したいと思います。
■番宣がつまらない
テレビ特有の文化として「番宣」というものがあります。
これは映画やドラマなど系列局で今後やるコンテンツの宣伝のことで、大抵はゲストとして普段はバラエティなど出ないような俳優などが出演します。
で、この番宣枠なんですがもちろんPRのための場なので面白いわけがありません。
俳優などのファンの方目線で見れば、いつもはドラマでしか見られないあの人がバラエティでも見られるわけだから喜びひとしおというところかもしれません。
しかし、もともとバラエティ番組自体のファンとして見ている人にとっては、番宣をしに来るゲストというのは異物以外の何物でもありません。
なので、人気のある番組に番宣を入れたい気持ちはわかりますが、やればやるほど番組自体の人気は下がっていくと思います。
私の体感としても、やはりTBS系のリンカーンという番組は、最初芸人だけで構成された番組でしたが、徐々に番宣のために芸人でない人の出演が増え、つまらなくなってきたと感じます。
■大御所がつまらない
同じような理由で大御所の存在があります。
和田アキ子などに代表されるような大御所タレントは本当につまらないです。
まあ昔から見ているようなご老人の方々はそんな大御所タレントが意気軒昂と働く姿に自らを重ねしみじみされているのかもしれませんが、いずれにせよテレビが若者に受け入れられない理由の一つであることは疑いようもありません。
しかも、大御所はおそらく働きの割にギャランティが高いことが想定されます。しかも、おそらく自分たちが面白くないということに気づいてない感が満載です。
テレビにはバーターという言葉があり、人気タレントと人気のない新人をセットにして出演の機会をもらうことですが、どっちがバーターになっているのかまあわからない話ですね。
大御所に払う無駄なギャラがあれば、コンテンツの拡充に使った方がなんぼか有意義な気がします。
■万人受けがつまらない
私も冒頭に書きましたが、深夜の方がゴールデンよりも面白いと言われることが多いです。
その理由は深夜だとやっていいことがゴールデンだとやってはいけないからです。
視聴者層がよりファミリー向けになるからだと思いますが、子どもの教育上よくない、などというクレームを回避するために極力当たり障りのない、言い換えるとつまらないコンテンツ作りに邁進している感があります。
そんなくだらないクレームを入れるPTA連中などつまらないと決まっているのに、そんな人向けに番組を作ったら面白くないに決まっています。
しかも、決まって起こるのが深夜からゴールデンに人気番組を移していくことです。
広告料的には格上げかもしれませんが、面白さ的には間違いなく格下げです。
自分たちで人気番組をつぶしてどうする?
この時期は本当にいつもアメトークがゴールデンに行かないかとひやひやしています。
■模倣がつまらない
世の中は何でもそうですが、テレビもしかり。模倣、つまりパクリばかりです。
どこかの局が面白い企画を思いつくと、驚くほど他局も真似します。
まあフォロワーの戦略としては無きにしも非ずですが、結果どこのチャンネルをつけても同じような番組しかやっていないということで、テレビ自体の人気が下がっていくと。
タレントでいくと、韓流、AKB推しなどがネット上でよく非難されていますが、(別に非難する必要性は感じませんが)工場見学系や、漢字パズル系などよくここまで発想が貧困になるものだと驚きます。
調べたことはありませんが、テレビの企画など本当のオリジナルは数人の作家で回してるんじゃないですかね?
■昔からつまらなかったじゃないかテレビは
ここまで大きく4つのテレビがつまらない理由を掲げてきましたが、別にこんなものは今に始まったものではありません。
今は昔からずーっと起こり続けてきたのだと思います。
ではなぜ最近になってテレビがつまらないと叫ばれ続けるのか?
これもよく言われることですが、近年特にネットが生まれてからの娯楽の多様化はすさまじいものがあります。
昔は娯楽というとテレビしかなかったので、みんな仕方なくテレビを見ていた。
でも今はネットもゲームも何でもありますので、多様化したことで楽しみ方が分散してテレビが見られなくなった、という論があります。
私はこの主張自体も正しいとは思いますが、少し足りないと思います。
より正しくは、多様化したことで、個々人の趣味にズバッとはまる娯楽が増えたのだと思います。
そうなることで万人向けに作らざるを得ないテレビというメディアの宿命として、相対的にテレビをつまらないと感じる人が増えたのだと思います。
今でも万人向けの番組に一定のファンがついているのは元々それら万人向けの番組がクリーンヒットする層だったのではないかと。
■ではどうすればテレビは面白くなるのか
万人受けを狙ってニッチなコンテンツに負けるというのは最近のマーケティング事例の鉄板であり、何とも日本的で微笑ましいものがあります。
が、叩くだけ叩いてハイ終わりではあまりに芸がありませんので、ここは一発テレビが面白くなる方法を考えてみようではありませんか。
前述のとおり、テレビは特定の層にターゲッティングしていないからつまらないのです。しかし、マスメディアの特性上テレビは万人を対象にしなくてはなりません。
二兎を追うものは一兎をも得ずですが、ハンター×ハンターというマンガには人間だれしも持っている潜在的な不思議な力であるオーラというものを、出しつつ出さないという矛盾をはらんだ「硬」という技が出てきました。
まあ要するにオーラを一か所に集中して、集中した部分以外では出さない、ということでしたが、さらに全身を「硬」にしようとすることで全身をより強いオーラでまとう「堅」という矛盾に矛盾を重ね合わせたような技も出てきました。
テレビもこれをパクリましょう。
特定分野に集中するのが「硬」であり、それを全身で表現するのが「堅」です。
つまり、今のどのテレビ局でも朝はニュース、昼はワイドショー、夕方ニュース、夜はバラエティ、深夜はアニメというこの放映ルーチンをぶっ壊して、再統合するのです。
全局横断で24時間365日特定のコンテンツを流し続けるスポーツチャンネル、ニュースチャンネル、バラエティチャンネルなどを作ります。
さらに細かく、タレントごとチャンネル、バラエティの中でも漫才だけチャンネルなどどんどんニッチに特化していくことで特定の層に強くアピールします。
クレーム回避のために教育用チャンネルと凶悪チャンネルを切り分け、凶悪チャンネルはいっさいのクレームも恐れずに臨みます。
しかも、これをオンデマンドでやることで、ネット上に保存された番組をいつでも見られるようにすると、全体に対しても強くなります。
スカパーやWOWOWが有料でやっていることを無料で行うのですから、きっと受けると思います。
ネットなどの先鋭的な娯楽に打ち勝つには既存のしがらみを捨て、まずはネットVSテレビの構図で勝てるように、テレビという業界全体が合従連衡して戦っていくのが、テレビが再度光を取り戻す一番の近道ではないでしょうか。
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こうやって書いてみるといろんな人が既に言っていることの繰り返しのようで気が引けますが、まだブログを始めたばかりなので、やはり自分の言葉で書きなおしてみることが大事と考えました。