F1000424 / keyaki

よくサラリーマンを揶揄する言葉として「歯車」という言葉があります。

やれ「歯車の一つになりたくない」などと言って起業されるケースもありますね。

いつも愛読しているわかったブログさんでその「歯車」という言葉が使われていました。


こちらのブログはライフハックをテーマとして扱っているので、いつでも交換可能な「歯車」になってしまったらろくなことがありませんよ!という論調でした。
がんばって交換不可能な存在になりましょう!と。

この「歯車」という言葉、どうにもネガティブに使われる機会が多いようです。

言葉を本質的に捉えていくと、「歯車」であることは決して恥ずかしいことではなく、むしろ誇ってもいいように感じるのですが。

今日はそんな私の歯車論を書き連ねたいと思います。


■歯車とはなんぞや

「歯車」とはどういうものか、初めに考えてみましょう。

いつもの通り本来の言葉の意味は無視して、私なりの解釈を。

例えば会社組織を3つの要素に分解してみます。

エンジン、歯車、スピードと車をイメージした3要素です。

まず、エンジンは会社でいうと経営陣に代表される物事を考え、決める人たちです。
この人たちが大元の部分で車をどう動かすかということを決めます。

次に、問題の歯車です。これは業務フローの中に組み込まれている普通の社員のことを指します。基本、自らに決定権はなく前後のフローと協力しながら車を動かすために回り続けます。

最後にスピードです。これはエンジン、歯車と同じような機能、役割ではなく、エンジンと歯車が組み合わさったときに生み出される成果に当たります。会社の業績やその手前の商品のことをイメージするとよいと思います。

式で表すとこんな感じ↓

エンジン × 歯車 = スピード

エンジンと歯車がそれぞれどのように組み合わさるか、うまく機能するかでアウトプットとしてのスピードが速くも遅くもなるという話です。


■そもそもあなたは歯車になれているのか

「歯車」という言葉が敬遠される存在となっているのは、同じ機能のエンジンと比べて極めて受動的な響きだからだと思います。

エンジンは自ら動くのに比べて、歯車はエンジンによって動かされているというイメージがあるのだと思います。まあ車などで考えるとある意味そうです。

が、ちょっと発想を変えるとエンジンだけで車を動かすことはできません。

エンジンの力を歯車がしっかりと伝えることで、車は動くのです。

そういう意味で受動的ではあれど、歯車というのは会社を動かすうえでなくてはならない存在です。
もっと歯車であることを誇っていいと思います。

と同時に逆のことも言えます。
あなたはそもそも歯車になれているのでしょうか?

歯車というのは車を動かすうえでなくてはならないパーツの一つです。
つまりフロー上あなた(というかあなたが担っている役割)がなくては車は動かなくなってしまう。それが歯車です。

「歯車」という言葉を忌避する人は、実は本来的には歯車にすらなれていないケースも相当あるのではないかと感じます。


■いい歯車もあれば悪い歯車もある

また、歯車にも当然性能があります。

前後の歯車とかみ合っているものなので、なくてはならないものかもしれませんが、その性能はバラバラです。

歯車自体が小さくて、かみ合わせがガタガタになっていたら、せっかくエンジンから大きなパワーが送られてきても、それをスピードに活かすことはできず、効率のロスが生じてしまいます。

当然より性能のいい歯車がパーツショップで格安で売られていたら、前の歯車は交換されてしまうでしょう。

パーツなので絶対に交換不可能な歯車になることは不可能だと思いますが、少なくともよそで売っている歯車に比べて、性能のいい歯車になることで交換されづらくなることは可能です。

歯車であることを嘆く前に、まずはそもそもきちんと歯車になること、より良い歯車になることを目指したらどうかと思います。


■自分の歯車にエンジン付けたっていいじゃない

とはいえ、どんなに性能がよくなっても歯車は歯車。受動的なその響きに対して嫌悪感はぬぐえないかもしれません。

が、歯車という存在をもう一度考えてみましょう。

歯車は前後にかみ合っています。大元をたどるとエンジンに行き着き、最後はタイヤにつながる、それが歯車です。

歯車の回転速度というのは、最初に始動するエンジンの回転数から途中を伝わってくる歯車(会社でいう上司)によって決まります。

これに流されて、ただ黙々と回転するだけでは確かに歯車は面白くありません。
しかし、世の中には自律式の動力を持った歯車もあります。
自らをそう規定するのはどうでしょう?
自分の歯車に小さいながらエンジンを付けてしまうのです。

そうすることで、歯車自体が動力を持ち、自ら加速することが出来ます。

組織全体から見ると、これはエンジンの生み出す動力にプラスされる結果となるので、アウトプットをエンジンの性能以上に高めることが可能です。

また、前述のように歯車は前工程ともかみ合っているので、自分の歯車が加速すると前工程の歯車やエンジンもそれに引きずられて速く回転せざるをえません。
これが歯車から組織を動かすということです。
ただ回されるだけでなく自ら周囲を動かす、生きた歯車になりましょう。


■歯車であることを嘆く前に

最後に、自分が歯車であることを嘆く方のために、車のなかにおけるキャリアステップをまとめておきます。

・ちゃんと歯車になる(必要な役割を担う)
  ↓
・歯車を磨く(スキルを磨きアウトプットを高める)
  ↓
・歯車にエンジンを付ける(考え、発信し、会社を動かす)
  ↓
・エンジンになる(出世する、起業する)


歯車が嫌だという方は、まず自分が歯車になっているのかを確認し、そのうえでキャリアステップを考えましょう。

単なる歯車から脱する道は起業してエンジンになることだけではありません。

というか性能の悪い歯車がエンジンを買って出たところで、その車の出せるスピードはたかが知れているでしょう。(もちろん、遅い車でいいという方はOKです)

自らの現在地を確かめ、より良い、自律式の歯車になることができれば、「歯車」という言葉にむしろプライドを感じることができるはずです。




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ちなみに私の今の会社の中での立ち位置は、やたら馬力の強いエンジンを積んだ小型でかみ合わせのあまりよくない歯車といったところでしょうか。

自らの歯車部分を大きくし、滑らかに回るようにするのが今後の課題だったりします。


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