最近一つの動画シリーズを見終わりました。
見ていたのはこちら↓
スパロボシリーズは全ゲーム中でもかなり上位に食い込むくらい好きなので、検索からたどり着いて、part1から最後まで見てしまいました。
スパロボをやったことない方には何がなんやらわからんかもしれませんが、一度でもやったことある方なら終盤の1ターンkillのすさまじさが理解できるかと思いますので、ぜひ一度ご覧になってください。
さて、ニコニコ動画の中にはこういったシリーズものの投稿がけっこう多くあります。
今回はこのようなシリーズ化されたゲーム動画の生み出す効果について思うところを書きたいと思います。
■それはコミュニティの形成
こういったシリーズものの動画は今までにいくつか見てきました。
これらの面白いのは長きにわたる投稿になるので、動画投稿者(うp主)と視聴者の間で、タレントとファンのようなコミュニティが形成されることです。
多くの場合、現状の動画投稿者は趣味の範囲で投稿しています。
なので、彼らにとって基本金銭的な報酬などはありません。
そこで、ゲーム観戦の場というのは自分の作品を褒めてもらう格好の場になるわけです。
こういったニコニコ動画のような場が存在する以前は、どんなにゲームの上手いプレイヤーでも、周囲の人になかなかそれをアピールする場が存在しませんでした。
ゲームメーカーやゲームセンターなどが開催する大会に足を運んでみたり、ゲーム雑誌の主催するハイスコアランキングに応募してみたり、と地道に自分の満足度を高めていくしかありませんでした。
しかし、ニコ動のようなゲーム動画が大量に投稿される場が出来たことで、ゲーマーにとっては非常に手軽に、自らのプレイをアピールする場ができたことになります。
■多様性の宝庫であるゲーム動画
しかも、このゲーム動画コミュニティの優れているところは、プレイスタイルに対して非常に寛容だということです。
どういうことかというと、通常ゲームの大会などにおいては基本的にそのプレイングスキルの上手さを競うものになります。
ちょっと小粋な小技が得意なプレイヤーがいたとしても、単純に勝ち負けや高得点を競うだけの世界においてはなかなか評価されません。
自然、プレイスタイル(見る側からすると観戦スタイル)は単調なものとなっていき、ゲームを楽しむ層を狭めていくことにもつながってしまいます。
しかしながら、ニコ動における人気ゲーム動画は本当に多種多様です。
ものすごくこだわったヤリコミから、単純にプレイがうまいもの、中には実況の楽しさだけで人気を集めているものもあります。
もちろん、どんな方向性だろうと視聴者に支持されなければ誰にも見られないままにひっそりと埋もれてしまいますが、様々な方向性で活躍の場を得られるという懐の深さは、俳優、芸人、アイドルと様々な特技を持つ方が活躍する芸能界を彷彿とさせます。
この懐の深さが、やる見る両面含めたゲーム関連人口の裾野を広げることにつながるのは間違いないでしょう。
■ファンとのつながりで鋭さを増すコミュニティ
また、シリーズもの動画でよくある展開が、多少動画が続いたところで投稿者から視聴者に対して、今後の動画の方向性に対して質問が飛ぶ状況です。
みんながみんな、視聴者からの提案を受け止めていくわけではありませんが、多かれ少なかれ動画投稿者の心の中では影響を与えているものと思われます。
そして、より多くの視聴者に好まれるような動画へと成長していくのです。
また、小さなところでは動画についている一つ一つのコメントに対して、投稿者が解説をしていくケースも多いです。いわゆるコメント返しというやつですね。
これは芸能界でいうところのファンからのお便り紹介とか、握手会に近い感じではないかと思います。
どんなに有名な投稿者であろうとタレントほどのレア度はないのですが、それでもニコ動のファンにとってはメタルスライムと出会ったくらいにはうれしい瞬間なのではないでしょうか。
■コミュニティの支援がゲーム業界を救う
こうして書いてみると、ゲームプレイとそれを応援するゲーム観戦はやはり相互補完的な関係にあるのは間違いありません。
プレイヤーはなるべく多くのファンに応援されたいですし、ファンはプレイヤーと一緒に作品を盛り上げていきたいのです。
何度も書いてますが、スポーツと何ら変わるところはありません。
ゲームメーカーからするとごく一部のネタバレ系動画や、改造系動画はそれこそゲームそのものの売上を脅かす邪魔者かもしれませんが、多くのゲーム動画ではゲーム業界にとってプラスの影響しか見えないくらいです。
事実、私が見てきたような人気動画のコメント欄には、プレイに触発されてやり直した、とか、また買ったというようなゲーム業界にお金を落としそうな発言がたくさんあります。
こういった層は大概は中古の売買に流れるでしょうから、現状ままではゲームメーカーにとって直接的な収益をもたらすとは言えません。
が、それはゲームメーカー側の問題です。そこに宝の山があるのに一本売り切りのビジネスモデルを継続している方が悪いのです。