今日は最近発見したほんの少しだけ便利な豆知識を披露したいと思います。


それは、

「ある目的地を目指すとき、なるべく曲がる回数を増やした方が早くつける」

ということ。

これだけだと何を言っているかわかりませんね。

図示しながら説明を試みます。


■つまりこういうこと

下の図を見てください。

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A地点を出発して、B地点を目指して歩く場合、最も早くつけるルートを考えます。

まず、単純にこんなルートはどうでしょう?

【猪突猛進型】
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まっすぐ突き進んで、突き当りを1回曲がるだけ、というパターンです。

理由としては、カーブがあると減速せざるを得ないので、なるべく曲がる回数を減らした方が早いはず、という考え方です。

ですが、これは残念ながら誤りです。

問題文には「歩く場合」と書いてあります。

徒歩のことを考えた場合、カーブだからといって減速することはほとんどありません。同様に直線が長く続いたからといって大きく加速できるものでもありません。

上記の誤りの前提は、知らず知らずのうちに車などの移動手段を頭に思い浮かべてしまったがために起こるものです。
自分で勝手に前提を改変したり、付け加えたりするのはビジネスの世界でもよくあることなので気を付けたいものです。


では、こちらの答えはどうでしょう?

曰く、

「何回曲がろうが、曲がるまいがトータルの距離は一緒だから、カーブで減速しないとすると、どのルートも変わらない」

なぞなぞ的にはあり得そうな答えです。
が、実際に歩いてみるとこれも誤りだということがわかります。

正解はこちらです。

【最短ルート】
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このようにジグザグに進むのが歩いていく場合、最も早い(距離が短い)のです。

図で書くとわかりますが、問題の道には「幅」があります。

この幅を考慮しなければ、確かにどのルートでも理論上は変わらないのですが、現実にある道幅を考えると、それぞれの道を斜めに結ぶことで、ほんの少しずつショートカットにつながり、合計の距離を減らすことが出来ます。


■物事を柔軟に捉えるのが大事だという話

これ、当たり前すぎるので多くの方は当然にわかった問題だと思いますが、上記のような二つの間違いにはまった方も中にはいるのではないでしょうか?(いると言ってくれ)

ちなみに私は二番目の間違いを採用していたので、実際に気づかされた時は目から鱗でございました。

実際には道に幅があって当たり前なのに、こういった問題でありがちな「道幅はないものとする」という前提を勝手に付け加えてしまったんですね。

物事を勝手に条件を付けて解釈せずに、柔軟にありのままに捉えるのが大事だという話でした。


■とはいえこんな問題もある

また、先日テレビでこんな問題を見ました。

監修はレイトン教授でおなじみの多湖教授です。

【問題】
下記の図形を1本の直線を引いて、2つの三角形に分けなさい。

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私にはまったく解けませんでした。
皆さんはいかがでしたか?

正解はこちら。

【これが正解】

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そう、「太い直線を引く」というのが正解でした。

なぞなぞなので食って掛かるのも大人げないのですが、これに私は納得がいきませんでした。


■納得できない答え

なぜ納得がいかないのか?

多湖先生はこれを「太い直線」と呼んでいましたが、正確にはこれは「面」です。

直線(ちょくせん、line)とは、太さを持たない幾何学的な対象である曲線の一種で、どこまでもまっすぐ無限に伸びて端点を持たない。

上記Wikipediaの解説にも書いてありますが、直線に「太さ」はありません。
1次元の概念です。

実際に作図する際に、太さを持たせないということは不可能ですが、それでも概念としては持たないのです。

これを直線として正解とするならば、曲線を描いた人を「直線ではない」と否定した番組のスタンスはおかしなものです。
正解として描いたものも「直線ではない」。

さらに1本と書いてある直線を2本以上引いてもよさそうですし、結果が三角形でなくても正解になりそうです。

人により見解が分かれるところでしょうが、私としてはなぞなぞとはいえ、この解答はやってはいけないものでした。


■柔軟に捉えることと決まりを曲げることはまた別

線引きはどこにあるのか?

これは完全に私の個人的な感覚ですが、物事を柔軟に捉えることと、決まりを曲げることは全く別だということです。

今回の問題でいうと、「直線」の定義は比較的明確に決められているのに、それを無視してしまっては、「柔軟」の域を超えてしまうということです。
これは「反則」です。これを許したら何でもアリになってしまいます。

これはなぞなぞなので、反則の線引きは人それぞれですし、仮に間違ったとしても納得いかないなあ、とふてくされているだけで済みます。

が、ビジネスの世界では日々こういった話がよく出てきます。

自分としては、柔軟に判断しただけのつもりが、ルールを厳格に捉える人からはルール違反の反則と呼ばれることもあります。

また逆に、柔軟に対応してほしいのに、自分たちが決めたルールでがんじがらめになって機会を逃すことも多々あります。

人によっては、マナーに反することを否定する人もいますし、法律を絶対のものと信じて疑わない人もいます。

集団として、ビジネスの荒波を乗り越えていくためには、決まりを常に疑って柔軟に捉えると同時に、その時々に応じた決まりや限界をチームの共通認識として持っておくことです。

これはどちらに偏ってもダメで、常にバランスのいいところを目指していくのが柔軟かつ強固な組織となります。


なんかもともと単なる豆知識というかひっかけ問題を披露して終わろうと思ったのですが、思いがけずちょっといい話になってしまいました。
柔軟かつ強固なブログ執筆を目指して、共にがんばりましょう。


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