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先週一番のニュース(私的に)といえばこちら↓

スクエニの音楽を24時間無料で聴き放題。“SQUARE ENIX AUDIO”サービス開始!

サイトの中身を見る限り、サントラを販売するための視聴サイトって感じなんですが、切り口がちょっとかっこいいのと、このニュースの扱い方のせいか、はてブなどでも結構な話題になっていました。

この発想を広げていくと、ゲーム動画界隈も面白くなってくる予感がするのでちょっと夢想してみます。


■サントラを売ることの意味


今までもサウンドトラックというものはありました。

ちゃんとTSUTAYAとかでもコーナーができているくらい(狭いですが)、まあメジャーな話です。

なぜそんなゲームの中の音楽だけを切り出したものが売れるかというと、当たり前の話ですが買う人がいるからです。

ゲームの中の物語を追体験するために、音楽だけでも手元に置いて、何度も聞きたい、という人が一定数存在するわけですな。

そんなユーザーのニーズを満たすためにサントラCDというのは売りに出されるわけです。


■コンテンツ切り出し戦略


これはゲームという一つの作品、製品のある部分だけを切り出したコンテンツの一種ということになります。

ゲームというのはプレイして、画面が変わり、音楽が流れ、ストーリーを追っていって、目的を達成する。

その一連の流れ、ゲームプレイをとして得られる体験をパッケージ化して売り出しているのが、既存のゲームソフトの考え方です。

しかし、前述のようにそこに対して「音楽だけでも聞きたい」というニーズがあれば、サウンドトラックとして販売されます。

こういったコンテンツの切り出しは人気作品の売上を伸ばしていく手法としては非常に効果的です。

スピンオフと呼ばれる、踊る大捜査線や相棒などの人気テレビドラマから、別のキャラクターを主役にしたサイドストーリーや、映画から始まり文房具まで広げるマルチメディア展開を常に行っているディズニーなども、切り方は違いますが同じような手法です。

特にゲームの音楽だけであれば、「音楽だけ聞いて満足、ゲームは買わない」という顧客は生まれづらいので、単純にゲーム本体の売上+αで収益が伸びていきます。うらやましいですね。


■今は昔、ストーリーブックというものありけり


対して、ゲームのストーリーを見るだけのムービーというのはまだあまり販売されていません。

なぜでしょう?

単純にニーズがないのでしょうか?

かつてストーリーブックという本のジャンルがありました。

自分が持っていたのは、サガフロンティア2、ゼノギアスなどの大作RPG群。

実際、親和性と規模感から考えるに大作RPGでしか成立しなかった分野でしょう。

それにしても、こうして過去販売されたからにはストーリーの切り売りにも一定のニーズがあったのではないかと思うのですが、最近はめっきり見なくなりました。

やはりあまり人気がなかったので、廃止に追い込まれてしまったのでしょうか?

しかしながら、当時と現在では環境が違います。

ブルーレイでの販売でもいいでしょうし、簡単にWEBのストリーミング配信だってパソコンだけでなく、ゲーム機本体からもできます。

ぜひもう一度「ゲームのストーリーを見ること」の切り出しについて、検討していただきたいのですが。


■失ったものばかり数えるな!今ゲーム業界に残されているものは


おそらく、開発会社が最も懸念しているのは、それによってストーリーを見るだけで終わってしまい、実際のゲームをプレイされなくなってしまうことでしょう。

いわゆる一つのカニバリゼーションです。

しかし、これはストーリービデオの販売時期を、ゲームの販売が落ち着いてきたころにすれば済む話です。

そのころにはほとんどのユーザーがおそらく中古経由で買うことになっていると思いますので、万が一そことカニバッたとしても、開発会社や新品の販売には響きません。

逆に、これはどれだけコストをかけずにリリースできるかにかかっていると思いますが、一作あたりの開発費の高騰が叫ばれる昨今のゲーム業界においては、マネタイズ(収益化)のポイントを柔軟に捉えることはかなりプラスに働くと思うのです。

また、作り手の思い手として、「ゲームはプレイしてこそナンボ!」という意見もあるかもしれませんが、それは幻想でしょう。作り手の自分勝手な押し付けに過ぎないと思います。

ゲームを購入する理由は人それぞれなので、ストーリーを見たいだけの人はビデオを買う、音楽を聴きたいだけの人はサントラを買う、全て体験したい人はゲームを買う、と選択肢を広げてあげればいいと思います。


かつてのゲーム少年たちも私を含め、もう立派な大人になりました。

大人になるとゲームをやりたくても、そんなに多くの時間をさけることが出来なくなっています。

そうして、特に据え置きハードから顧客が離れ、携帯ハードへ、そしてケータイ、スマートフォンへ、とゲームファンたちは、自分たちに消化可能な範囲で、ゲームという文化を楽しもうと動き始めています。

この流れを、「ゲームはプレイするもの」という固定観念から脱して、見るだけ、聞くだけのライトなファンの存在を許し、むしろ積極的につなぎとめていくことは、ゲーム業界の再度の発展につながるはずだと強く信じています。