最近やたらとテレビで見るのがこちらのマンション↓


老人ホームではなく、基本的には一人でちゃんと生活できるレベルのシニア層をターゲットとした分譲マンション。

その贅沢っぷりがネタになるのかよく取材されているようです。

たしかに食事は「なだ万」監修の元、毎食旅館の食事のような豪勢な内容で、成人病を誘発して入居者の寿命を縮めさせる効果が期待できるのではないかとわくわくする。

さらにコミュニティ空間としてビリヤードだのヨガサロンだの、近くには会員専用のゴルフ練習場まであり、入ったら一生出てくるなと言わんばかりでうらやましくなります。

そんなニュースを見ながら、高齢者保護と基本的人権について、ちょっと一言言いたくなったので書いておきます。


■シニア向け分譲マンションは良いビジネス


最初に誤解なきよう言っておきますが、こういった贅沢なシニア向け分譲マンションは今回批判の的ではないです。

あまりにぜいたく過ぎてちょっと笑ってしまうところではありますが、住みたい人がいて作りたい人がいる。
単純なビジネスの話なので、まあ好きにやってくれればよろしい。

そう、こういったシニア向け分譲マンションは老人ホームなどと違い、税金などによる補助金や助成金が投入されていないはずなのです。たしか。

なので基本的には自己責任。

某日テレ系の「スクール革命」か何かで、約70平米の部屋が相場より1000万円くらい安い!みたいなこと言ってましたが、まあコミュニティなどの利用料とか他のところで帳尻を合わせてるんだと思います。

自分は絶対老人向けのビジネスなんてやりたくないけど、儲かりそうだと思う人はガンガンやるでしょう。


■老人ホームは別物


しかし、有料老人ホームは全くの別物。

運営側も入居者側も補助金でズブズブになっているので、我々若者からすると非常に憎らしいサービスです。

ちなみに、老人ホームと言ってもピンきりですが、豪華なものだとこんな感じ↓

どこのお屋敷やねん!と思わず突っ込みたくなってしまうほどのカクチョウタカサ。

こちらは入居時に3000万円以上が初期費用で必要という、ちょっと理解できないプランなのですが、住みたい老人がいるそうです。

しかも、こいつの恐るべきは、我々の収めている税金が補助金として投入されていることです。

さらに、運営側もどうせ補助金頼みだということで、コスト意識もなく運営実態も贅沢そのものだと聞きます。


最低限のサービスならまあわかる。

ぼろアパートみたいな老人ホームでなんとか食いつないでいくための運営費に、そんなところに住む老人やその家族じゃ全額負担できないから、ちょっと税金で助けてあげようというのはわかります。

しかし、だ。これだけ豪華なホテル顔負けの老人ホームに補助金なんていりますかね?


■基本的人権が保障しているのは「最低限」


例によってうろ覚えで書きますが、大半の社会保障制度の法的根拠は憲法に明示されている「基本的人権」だったかと思います。

その意味は「健康で文化的な最低限度の生活」。
小6くらいで習いましたね。

なので、個人的には「社会保障なんていらねえ、自己責任だ!」と言いたいところですが、一応この国では、お金がなくて生きられないような人には生活保護などの手当てが出るようになっています。

また、年金は別です。実際のところはともかくとして一応は「払った分だけ戻ってくる」という制度なので。
ダメな人を無条件で守ってあげようという社会保障とはちょっと違う。気がします。

で、ここで不思議なのが今回取り上げたような豪華老人ホームに対する補助金。

憲法が保障しているのはあくまで「最低限」の生活のはず。

どう逆さに振っても最低限をはるかに上回る無駄っぷりだと思うのですが。

我々若者はこんな風に、老人に贅沢をさせるために税金を払っているのです。

本当にそんな理由があるのでしょうか?


こういうことを考えていくと、如何に今までの大人たちが利己的な人間か。きれいごとの隠れ蓑の中でコソコソと悪いことをしてきたのかがよくわかります。

そして、そんな国に若者が絶望して離れていくのも。

どこかで基準を引き直して、きちんと守るべきものを守れる国に変わる必要があると感じます。